平成30年度 介護食士夏季指導員・准指導員研修講座を開催しました
8月7日(火)から8日(水)の2日間に渡り、介護食士夏季指導員・准指導員研修講座が奈良調理短期大学校にて開催されました。日本全国の各校から指導員28人、准指導員18人が参加し、講義と実習を通して知識と技術のさらなる研鑽に励みました。
特別講演
学校法人青池学園 理事長 青池浩生氏
青池学園のある福井県は食育のさきがけです。学園はクッキングスクールから始まり介護を経て調理へ参入し、「医食同源」を建学の精神に持っています。福井県介護食士会の取り組みとして、地場産業食材を活用して郷土の風土に適合した食介護を作り、高齢者や障害者の人間としての尊厳を保ち、能力を社会に還元し活気ある郷土を作ることを目的としています。広報活動など貴重な体験の話をされました。
指導員研修講座
「おもてなし料理を介護食に」(講義・実習)
日本料理 天平倶楽部 料理長 河村正英氏
懐石料理店の料理長を講師に招き、木の葉南京含煮、じゃがいも饅頭、大和鍋、葛もちの調理の実習を行いました。
「市販の介護食レトルト食品を使って」
新潟調理師専門学校 吉田奈美氏
年配者にはレトルト食を食べなければならない人がいますが、いつも同じだと飽きてしまうので工夫やアレンジをする必要があります。市販の介護食レトルト食品を試食して感想の発表、市販品を使ってアレンジ料理を考え、実際にレシピを作って調理の実習を行いました。昔より美味しくなった、色合いや味付けへの改善案、パッケージイメージとの差異、味の好みの地域差などの意見がありました。
准指導員研修講座
「家庭で作る介護食」(講義・実習)
新潟調理師専門学校 熊倉紀代子氏
被介護者にはミキサー食は食べたくない、介護者以外と同じ食事を食べたいという意見があります。茗荷ご飯、茗荷あらくも汁、鶏レバー炒め煮、里芋ごはん、ほうれん草の磯和え、ふろふき大根の調理の実習を行いました。講師自身の闘病体験からも食事が食べられる事の大切さを伝えていました。
「介護食士講座の進め方」(講義)
全調訓 荻原英子氏
全調訓の歴史、介護食士の誕生と食中毒防止から美味しさを重視する社会情勢の変化、学校ごとの違いをなくすなどの問題点への取り組み等についての説明をしました。
介護食士を「介護食を作る知識・技術・技能を持った人」と定義し、知識だけではなく「技能」を重視していることを強調しました。民間資格であることで具体的な仕事の範囲の例を話しました。
「地産地消で福井の味、そしてデザート」(実習)
青池調理師専門学校 時岡眞佐子氏、森下五十鈴氏、松阪隆寛氏
打ち豆ごはん、大根の早煮カレー風味、なすの梅和え、トマトのかきたま汁、梅ゼリー、デザートとしてくずまんじゅう、水切りヨーグルトと旬の果物のデザートを調理実習しました。何でもドロドロではなく、口から楽しく郷土の味と分かる物を食べらる事が大事です。
「介護食士3級筆記試験について」(講義)
介護食士事業推進委員会 宮澤貞子氏
全長訓のホームページのリニューアル、各校での講義・実習や試験の実施方法、採点と合格可否の決定のプロセス等について説明をしました。内閣府からの指示を受けて制度が少し変更になりました。