2022年度 介護食士夏季指導員・准指導員研修講座を開催しました
8月17日(水)から18日(木)の2日間に渡り、介護食士夏季指導員・准指導員研修講座が、岡山の西日本調理製菓専門学校にて開催されました。日本全国の介護食士講座開講校から指導員34人、准指導員12人が参加し、講義と実習を通して知識と技術のさらなる研鑽に励みました。
開会式では、当協会会長遠山巍氏、本山学園顧問室山哲雄氏にご挨拶をお願いしました。なお、初日は、研修会会場に山陽新聞社の取材が入りました。
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特別講演「嚥下の仕組みについて」
インターナショナル岡山歯科衛生専門学校 非常勤講師(歯科衛生師) 武田明美 先生
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嚥下の仕組みについて、パワーポイントでの講義と口腔内を測定する機器の説明がありました。食べ物を食べた時、特に口腔期から咽頭期に入る流れを、動画を入れながら解説されました。
機器の説明では、班に分かれ、機器を使っての実習を行いました。発音測定、口腔乾燥測定、舌圧測定、キシリトールガムを使っての咀嚼チェックを体験しました。
機器を使用しての口腔内のチェックは、受講者にとって貴重な体験となりました。
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西洋調理実習「フレンチ dé 介護食」
西日本調理製菓専門学校 理事・学校長 早野充 先生
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早野 充先生は、日本・フランス・イギリスなど各国で活躍されており、都ホテル東京や沖縄都ホテルの総料理長を務められた経歴もあります。包丁を入れてあるアタッシュケースには、世界を回った印(のシール)が沢山貼られていました。
実習のテーマは「フレンチ dé 介護食」。美しい、見やすいレシピ(フランス語:recette ルセット)を頂きました。作ったのは、フォアグラの茶碗蒸し、牛頬肉のエメラルドソース、米粉の蒸しパン、地豆豆腐 苺のソースです。先生ご自身が作られたお皿に盛りつけました。また、水にこだわり、牛頬肉や人参のグラッセは硬水の水を使用しています。先生の巧みなお話で師範の時間があっという間に過ぎていきました。
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日本料理実習「晴れの国岡山(岡山県の郷土料理)」
西日本調理製菓専門学校 調理学科学科長 山田賢作 先生
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ホテルや旅館などでの調理師としての勤務をふまえ、西日本調理製菓専門学校、調理学科学科長として学生の指導にあたっています。
メニューは、「晴れの国岡山」で、岡山県の郷土料理を紹介しながら介護食に展開した料理を指導してくださいました。作ったのは、鰆のたたき、れんこん饅頭、黄ニラあんかけ、蒜山おこわ、漁師風汁物、水物(岡山季節のくだもの)。折箱(松花堂弁当の容器)に盛り付けた料理は、特別な日の料理として、喫食者の食欲をそそり、思い出に残るでしょう。
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※調理室の入り口には、西日本調理製菓専門学校西洋料理 重田宏明氏の氷彫刻「氷とフルーツのカービング-岡山の恵と共に」が展示されました。
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実験・実習(指導員対象)「食べやすさを科学する」
介護食士事業推進委員会 委員 神谷紀代美 先生
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介護食士講座2級テキストに載っている「食べやすさを科学する」の内容を理解する基礎として、食塊形成や嚥下具合、食べやすさなどを、ごぼうを使って実験してみました。切り方、加熱方法、重曹使用などでどうなるかを調理した後実際に試食して確認しました。受講者は重曹の効果を再確認していました。
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講義(准指導員対象)
1.本協会 会長 遠山巍 先生
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「介護食士講座の歴史と介護食士とは」
本協会会長により、介護食士が生まれた歴史について、当時の時代や生活環境の説明と共に解説されました。介護食士の資格は他の類似の資格とは受講生に対する講習の内容(密度)が全然違う事、介護食士の普及のため、介護食士事業推進委員会を発足しテキスト作成や試験実施要項などに取り組んでいることを述べられた。
2.介護食士事業推進委員会 委員 宮澤貞子 氏
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「介護食の基礎知識」
介護食士講座3級の「介護食士概論」に準じる、介護食の基礎知識について述べた。
3.介護食士事業推進委員会 委員 荻原英子 氏
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「試験について」
介護食士講座受講生に対し、講座終了時に行う試験について、解説と注意点、お願いなどを述べた。
修了式
修了式では、受講者に介護食士指導員認定証、介護食士准指導員認定証を授与しました。
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西日本調理製菓専門学校顧問 室山哲雄氏から受講生に書籍を頂いたお礼を、会長が述べました。「四季ごよみ食彩」と題した書籍には、四季折々ワンランク上の料理96品を、1品ずつ作り方、材料のほかきれいに盛り付けた写真やコメントが書かれています。
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